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地方企業が勝つ!6マスマーケティングで自動的に顧客が増える仕組み

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しいなま

神戸在住の神戸を愛するマーケター|マーケティングを楽しく学べる場所を作りたい

地方ビジネスで売上を上げるには、都市部とは異なる独自のマーケティング戦略が必要です。

本記事では、15年以上の実績を持つマーケティングコンサルタントが実践する「6マスマーケティング」を中心に、地方企業が今すぐ使える具体的な施策と成功事例を解説します。

目次

地方マーケティングとは?

地方マーケティングとは、地方または特定地域内の企業が顧客を自動的に増やす仕組みを作る施策です。都市部のマーケティングとは根本的に異なる特徴があります。

地方ビジネスが直面する2つの課題

地方でマーケティングを展開する際、必ず直面する課題が2つあります。

  • 顧客数が少ない:商圏人口が限られているため、ターゲット顧客の絶対数が都市部より少ない
  • 人材不足が深刻:マーケティング専任担当者を置けず、営業や事務と兼務するケースが大半

この2つの前提条件を踏まえた戦略設計が、地方マーケティング成功の鍵となります。

地方だからこそ効果的な施策がある

一方で、地方には都市部では使えない強力な武器も存在します。

施策地方での効果都市部での効果
チラシ◎ 高い効果△ 効果薄い
新聞広告◎ 読者多い△ 読者減少
口コミ◎ 拡散力大○ 一定の効果
地域テレビCM◎ 15万円〜× 1,000万円〜
ふるさと納税◎ 活用可能× 対象外

※効果の評価:◎=非常に効果的、○=効果的、△=限定的、×=使用不可

地方マーケティングの本質は、オンライン施策だけに頼らず、地方特有のオフライン施策も組み合わせた統合型マーケティング(IMC:Integrated Marketing Communication)にあります。

失敗する地方マーケティングの共通パターン

地方企業のマーケティングが失敗する最大の原因は「人材不足」です。具体的な失敗パターンを見ていきましょう。

よくある失敗の流れ

多くの地方企業が陥る典型的な失敗パターンがあります。

  1. 他社の成功事例を聞いて真似する(例:「Instagramで成功したらしい」)
  2. 教えてもらった通り素直に実践する
  3. すぐに成果が出ないが「継続が大切」と信じて続ける
  4. 長期間努力した結果、成果が出ない

このパターンの最大の問題点は「カード選び」の失敗です。他社が成功した方法は、必ずしも自社が成功する方法ではありません。

マーケティング手法は150種類以上ある

集客方法だけでも73種類、広告手法は9,000種類以上存在します。しかし、人材不足の地方企業が実際に取り組めるのは2〜3種類が限界です。

最初のカード選びを間違えると、どれだけ努力しても成果は出ません。逆に正しいカードを選べば、限られたリソースでも最大の効果を得られます。

マーケティング施策の評価基準

150種類以上の施策を実際に検証した結果、以下の6項目で評価できます。

  • トレンド:現在の流行度(5段階評価)
  • 効果:期待できる成果(5段階評価)
  • 労力:必要な作業量(5段階評価)
  • 難易度:専門性やセンスの必要度(5段階評価)
  • ターゲット適合性:顧客層とのマッチ度
  • 効果発現期間:成果が出るまでの時間

自社の業種・人数・予算・ターゲット・商品単価などの条件に合わせて、最適なカードを選ぶことが成功への第一歩です。

6マスマーケティングとは?

カード選びができても、それだけでは成功しません。選んだカードを正しい順番で並べる「流れ」が重要です。

マーケティングの仕組みを作る6つのステップ

6マスマーケティングとは、6つのステップを順番に埋めることでマーケティングの仕組みを構築し、自動的に顧客が増える状態を作る手法です。

  1. 認知・出会い(知ってもらう)
  2. 見込客情報(リスト獲得)
  3. 信頼構築(比較検討対象)
  4. フロント商品(初回購入)
  5. メイン商品(本命商品)
  6. リピート紹介(口コミ拡散)

この6マスを全て埋めることで、マーケティングの仕組みが完成し、営業が頑張らなくても自動的に売れる状態を実現できます。

各マスの役割と重要性

①認知・出会い

顧客にまず知ってもらう段階。ここがなければ何も始まりません。

②見込客情報獲得(リード獲得)

日本のマーケティングで最も軽視されがちな部分です。顧客は必ず複数の選択肢を比較検討しています。その比較対象の1つに入ることが重要です。

③信頼構築

比較検討対象の中から「この会社で買いたい」と思ってもらうための信頼関係構築。接触頻度を高めることが鍵です。

④フロント商品(初回購入)

まずは試してもらう商品。お試し価格や初回割引などで購入ハードルを下げます。

⑤メイン商品(本命商品)

自社が本当に売りたい商品。定期購入、高単価商品、パック商品など。

⑥リピート・紹介

リピート購入してもらい、友人や知人にも紹介してもらう。これが①の認知に戻り、好循環が生まれます。

多くの企業が陥る罠

多くの企業は④⑤の商品を売ることしか考えていません。しかし、いきなり売ろうとすると広告費が高騰し、うまくいきません。

①②③の前工程をしっかり構築することで、効率的に顧客を獲得できるようになります。

【業種別】地方マーケティングの6マス設計法

業種によって最適な6マスの埋め方は異なります。代表的な業種別に、具体的な戦略を解説します。

BtoB(大手・中小企業向け)の6マス戦略

メーカー、銀行、運輸業など、数百人〜数千人規模の企業をターゲットとする場合の戦略です。

①認知・出会い

  • オウンドメディア(SEO対策済みサイト)
  • PPC広告(Google広告のキーワード連動型広告)
  • 営業・展示会・テレアポ
  • 出版・プロモーション動画

※オウンドメディア=自社が保有するメディア(サイト、ブログ等)のこと。

大企業相手はオンラインだけでは完結しません。オフラインの営業活動も組み合わせる必要があります。

②見込客情報獲得

  • ホワイトペーパー(お役立ちPDF)ダウンロード
  • 資料請求
  • 名刺交換

※ホワイトペーパー=顧客の課題解決に役立つ情報をまとめたPDF資料。

③信頼構築

  • メールマガジン配信
  • マーケティングオートメーション(自動でメール配信を最適化)
  • 定期的な情報提供

BtoBでもメールマガジンは非常に効果的です。「BtoBにメルマガは不要」という思い込みが失敗の原因になります。

④フロント商品

  • 直接提案
  • ウェビナー(オンラインセミナー)
  • 勉強会・講演

⑤メイン商品

  • 契約
  • 継続購入契約

⑥リピート・紹介

  • 定期フォローアップ
  • 同業種への横展開
  • 追加サービス提案

【成功事例】大手インフラ工事企業

  • 課題:コロナで直接営業ができなくなった
  • 施策:営業担当が持つ名刺を全てCRM(顧客管理システム)に登録し、役立ち情報のメールマガジンを配信
  • 結果:メールマガジン経由で大規模工事の見積依頼が入り、契約獲得

開封率・クリック率を測定することで、どの企業がどんな工事に興味を持っているか分析できました。「図面を送ってください」というメール配信で、実際に大手企業から図面が届き、大型案件を獲得しています。

BtoB(小規模企業向け)の6マス戦略

司法書士、税理士、保険代理店など、数人規模の企業がターゲットの場合です。

①認知・出会いの違い

小規模企業向けでは、以下が特に有効です。

  • YouTube:威力は最大。時間はかかるが効果絶大
  • Facebook:本名登録のため企業間取引がしやすい。小規模企業の社長は今でも使っている
  • 商工団体:商工会議所、法人会などの組織経由
  • ポスティング:企業のみに配布(地元業者に依頼)
  • FAX DM:いまだにFAXでしか注文できない企業は多い。特に卸売業
  • 地域テレビCM:15万円〜出稿可能な地域局がある(例:宮崎は3局のみで集中度が高い)

FacebookとFAXが意外な効果を発揮します。オワコンと思われがちですが、小規模企業の社長層には今でも有効です。

③信頼構築

  • メールマガジン
  • Facebook投稿
  • 定期的な接触

⑥リピート・紹介の重要性

小規模企業同士は横のつながりが強いため、紹介が非常に効きます。満足度を高めて、積極的に紹介を依頼しましょう。

ダメな例:リード獲得をしていない

見込客情報を管理せず、いきなり相談・契約・フォローという流れだけでは不安定です。見込客は育てるもの。1年後、3年後、5年後に必要になる可能性があるため、継続的に情報提供して関係を維持することが重要です。

実際の事例では、5年間メルマガを読み続けてから初めて来社したクライアントもいます。

店舗事業の6マス戦略

レストラン、美容院、接骨院、クリニック、スーパーなど、地域店舗の戦略です。最大の特徴は、近隣に居住・勤務している人がターゲットであること。

①認知・出会い(絶対に外せないもの)

  • Googleマップ(MEO対策):最重要施策

※MEO=Map Engine Optimizationの略。Googleマップでの上位表示対策のこと。

Googleマップで検索上位3位以内に入れば、Google検索結果にも表示されます。SEO対策よりも簡単に上位表示できます。

Googleマップ対策の具体的方法

  1. 店舗情報を完全に入力(営業時間、場所、サービス内容、写真、メニュー、バリアフリー情報など)
  2. SNSのように毎日投稿する
  3. 写真を定期的にアップする
  4. 口コミに返信する

その他の有効施策

  • Instagram(美容系・女性ターゲットと相性◎)
  • プレスリリース(テレビ・雑誌取材は基本無料。店舗は「絵になる」ため取材されやすい)
  • クーポンサイト(グルーポン、クマポン等):出稿は無料で、売れた分だけ手数料が発生するためリスクが低い
  • 専門媒体(ホットペッパー、食べログ等)
  • フリーペーパー(地域で安く出せる)
  • ふるさと納税:店舗の商品をふるさと納税に登録可能。旅館の宿泊代金もふるさと納税で支払える例あり

②見込客情報獲得

  • プレゼントキャンペーン
  • クーポン配布
  • イベント来店
  • LINE公式アカウント登録:クーポン発行が簡単で見込客獲得に最適

③信頼構築

  • チラシ(1回で終わらせず複数回配布)
  • 自社通信(会社の情報を地域に定期配布)
  • はがき(来店客に丁寧にはがきを送ると効果大)
  • LINE公式アカウント:接触頻度を高める最強ツール

接触頻度が高いほど、必要になったときに最初に思い出してもらえます。

④フロント商品

  • 初回割引
  • イベント・お試しキャンペーン
  • 体験会
  • 近隣企業向け特別キャンペーン:例「○○社様限定20%OFF」チラシを作り、企業の食堂に置いてもらう

⑤メイン商品

  • 回数券(単発購入より継続購入を促す)
  • まとめ買い
  • 会員契約

⑥リピート・紹介

  • クーポン・ポイントシステム(今でも効果大)
  • SNS投稿割引
  • 口コミ依頼:「口コミが励みになります。良かったら一言いただけると嬉しいです」と掲示するだけで効果あり

※ステマ規制があるため「割引するから口コミを」は不可。お願いベースならOK

口コミをお願いしないと、不満がある人だけが口コミを書き、悪い評価ばかりになります。お願いすることで、良い口コミが増えます。

ダメな例:3つの典型的失敗パターン

パターン1:見込客情報を考えていない

チラシ・ホームページで一発勝負、常に割引を繰り返す悪循環。

パターン2:メイン商品が弱い

単発5,000円の商品だけでは広告費を捻出できない。回数券など高単価商品が必要。

パターン3:リピート策がない

新規客だけに頼ると、広告費が高騰し続ける。

【成功事例】高品質注文住宅の工務店

  • 課題:地元の紹介で成り立っていたが、地縁が薄れ、問い合わせゼロに
  • 施策:Googleマップを徹底強化(「地域名 工務店」「地域名 高級工務店」で上位表示)、ホームページを若々しくリニューアル
  • 結果:月間問合せ0件→9〜10件に増加

週2回のGoogleマップ投稿、ホームページのコラム更新、Instagram投稿とGoogleマップへの同時投稿を継続しています。

【成功事例】クーポンサイト活用のエステサロン

  • 立地課題:街から離れた場所で通りがかりの来店が難しい
  • 施策:クーポンサイトに掲載+全顧客に口コミ依頼
  • 結果:Googleマップの口コミが大量に増え、検索経由の新規客が増加

クーポンサイトは売れた分だけ手数料を払う仕組みのため、リスクが低い点が魅力です。

観光・特産物産業の6マス戦略

観光施設、地域レストラン、ホテル、旅館、農業、水産業などの戦略です。ターゲットは、県内及び県外の一般消費者になります。

①認知・出会いで地方が有利な施策

  • YouTube:地方には映すものがある。大自然、珍しい風景など都会では撮れない素材が豊富
  • TikTok:同様の理由で面白い動画が撮りやすい
  • ふるさと納税:観光施設の宿泊代金も対象にできる

YouTubeは地方の方が有利です。都会のコンクリートジャングルより、地方の大自然や珍しい光景の方が視聴者に刺激を与えられます。

その他の施策

  • キャンペーン
  • LINE公式アカウント
  • プレスリリース

②見込客情報獲得

  • イベント参加
  • お試し体験
  • LINE公式アカウント登録

「観光地は何度も行かないのでは?」という疑問があるかもしれませんが、年齢が上がると同じ場所に何度も行く傾向があります。「あそこ良かった」という場所に毎年行くパターンが増えるため、LINE登録してもらえば再訪につながります。

⑤メイン商品

  • 通信販売:来店客に対して特産品を通販で販売

【成功事例】創業50周年の秩父の旅館「ゲストハウスきこり」

  • 施策:Instagramを徹底活用
    • 丁寧なコメント返し・コミュニケーション
    • 1,000フォロワーまでは地道な対応
    • 地元企業・レストランとタイアップした宿泊プラン(リラクゼーション、パティスリー、タロット占い等)
    • 創作料理と2週間ごとに変わる朝食
    • 秩父フォトコンテスト開催(#秩父乾杯共和国で1.5万件以上の投稿)
    • 入賞作品をリポスト
  • 結果:フォロワー1万人超、7室のみの旅館が全国的人気に

注意点として、ターゲット外の客が来るリスクがあります。認知拡大により、旅館のコンセプトに合わない顧客が来店し、低評価を付けるケースも発生。

口コミ返信で「7室の木造旅館でバリアフリーではない。奴隷のように媚びへつらうサービスは提供しない」と明確に発信しています。

数より顧客とのエンゲージメント(深い関係性)を重視する姿勢が重要です。

【成功事例】平戸観光協会のLINE公式アカウント

長崎県平戸島の観光協会が運営するLINE公式アカウントは、以下の機能で登録者多数を獲得しています。

  • クーポン配布
  • バス・船の時刻表
  • GPS連動で近くのトイレを表示

面白いコンテンツがあるため、一度も訪れたことがない人も3年以上登録し続けるケースがあります。

【成功事例】長崎バイオパークのYouTube戦略

チャンネル登録者55.2万人を誇る動物園の成功要因です。

  • 15年前からYouTube継続:日本にYouTubeが来た当初から撮影を習慣化
  • 8年目にカバの動画がバズ:7年間成果が出なくても継続
  • TikTokで海外展開:英語対応、ハリーポッター等の要素を取り入れ150万フォロワー(93%が海外)
  • 結果:過去15年間で最多の来園者数を記録

地域の人にとって当たり前の光景が、外部の人には驚きのコンテンツになります。日常にサプライズを見つける視点が重要です。

ダメな例:オンライン不在

自社ホームページがなく、まとめサイトにしか情報がない旅館が実在します。検索しても出てこないため、予約できず諦める顧客が多数います。最低限、Googleマップは作成しましょう。

物販・EC事業の6マス戦略

楽天・Amazon出店企業、食品製造業、農業・漁業の直販などの戦略です。最大の強みは、日本全国・世界中がターゲットであること。

①認知・出会い

  • ECモール出店:楽天・Amazonで勢いをつけ、口コミ・ブランド構築後に自社ECへ移行
  • ふるさと納税:モール手数料が低い。自治体独自のサイトなら手数料ゼロの場合も
  • ラジオショッピング:リスナーは濃いファン。取り上げられると300個単位で売れる

自社ECのみは難易度が高いため、最初はモール活用がおすすめです。手数料を払っても売上が立つ方が、売れないホームページに時間をかけるより効率的です。

②見込客情報獲得

  • メールマガジン
  • LINE公式アカウント

③信頼構築

  • 期間限定キャンペーン(通販はキャンペーンがないと売れない)
  • メールマガジン・LINE配信

④フロント商品

  • キャンペーン商品
  • お試し商品

⑤メイン商品

  • 定期購入商品:単発販売だけでなく毎月届く商品を作る

⑥リピート・紹介

  • ポイント機能
  • 友達紹介
  • 口コミ増加施策

ダメな例:3つの失敗パターン

  1. 自社ECしかやっていない:モール未出店では集客困難
  2. リピート策をしていない:新規獲得コストが高騰し続ける
  3. 口コミを増やしていない:口コミがないと売れない時代

【成功事例】100年続く水産加工会社

  • 背景:卸売のみで利益率低下(エネルギー高騰・魚価上昇を価格転嫁できず)
  • 施策:初めてBtoC(一般消費者向け)販売開始、ふるさと納税活用
  • 結果:4年で月商400万円→1億円に成長、楽天総合ランキング1位獲得

【成功事例】化粧品通販会社の社内インフルエンサー育成

  • 課題:広告費高騰(8,000円の商品販売に15,000円の広告費)
  • 施策:社員全員でInstagram運用、社内インフルエンサー育成プログラム、成果に応じたインセンティブ設計
  • 結果:3ヶ月で1万フォロワー6人、1年後には20人以上のインフルエンサーが誕生。社員が自社商品を紹介するためリピート率向上

売れた分だけ歩合で還元する仕組みで、社員のモチベーションも向上しました。

悩み・課題解決/教育学習事業の6マス戦略

治療院、コーチング、カウンセリング、美容、薄毛育毛、水道修理などの戦略です。特徴は、積極的な顧客がターゲット(悩みが顕在化している)であること。

①認知・出会い

  • 各種SNS(業種により最適なものを選択)
  • アメブロ(40代以上女性ターゲットに有効)
  • note
  • Voicy(音声メディア。最近急成長)

②見込客情報獲得

  • 動画ダウンロード
  • 診断アプリ
  • 無料相談・無料診断
  • セミナー開催

④フロント商品

  • 無料相談
  • 無料診断
  • セミナー参加

⑤メイン商品のポイント

  • 利益率の高い商品が必須:広告費を捻出するため
  • 長期購入商品・定期購入商品・パック商品

情報やコンテンツを売る業種は仕入れがないため、広告費を使うことに抵抗がある経営者も多いですが、広告は絶対に活用すべきです。

【成功事例】高い技術を持つ接骨院

  • 課題:立地が悪く店舗のみでは限界
  • 施策:特許取得の姿勢矯正機械を使ったサブスクリプション治療サービス(機械を自宅に送付)
  • 結果:全国がターゲットになり、売上3倍。LINE公式アカウント・Instagram・Googleマップも併用し実店舗の患者も増加

人材採用マーケティングの6マス戦略

地方企業の最大の課題は人材不足です。採用もマーケティングの一種として、戦略的に取り組む必要があります。

①認知・出会い

  • 採用広告(リクナビ、Indeed等):高額
  • 採用専門ホームページ:最重要(商品紹介と同レベルの情報量で求職者向けページを作る)
  • SNS発信

ホームページに求人情報をきちんと書いていない企業が多すぎます。以下の情報を充実させましょう。

  1. どんなことが学べるか
  2. キャリアパスはどうなっているか
  3. 先輩社員の声
  4. 給料の変遷
  5. ワークライフバランス

②見込客情報獲得

  • LINE公式アカウント登録:すぐには応募しなくてもタイミングが来たら応募してもらえる

③信頼構築

  • 個別説明会
  • 先輩との座談会
  • カジュアル面談(面接前に気軽に話す機会)

④⑤採用

  • 面接・内定

⑥リピート・紹介

  • 社内環境改善・業務効率化:働いて良かったと思う社員を増やす
  • リファラル採用(社員紹介):満足度が高くないと紹介は生まれない

※リファラル=社員が友人・知人を紹介する採用手法のこと。

人材採用で明確にすべき3つのポイント

ポイント1:企業の特色を明確にする

給料だけでなく、自社の魅力を打ち出しましょう。

  • 挑戦できる環境
  • フレキシブルな働き方(テレワーク可等)
  • 教育制度充実
  • 風通しの良い社風
  • 完全在宅勤務

1名募集で200名応募の事例:「完全在宅」を強調して大量応募を獲得。

ポイント2:明確なキャリアパス

1年目・2年目・3年目で何ができるようになるべきか明示しないと、求職者は不安で応募できません。

ポイント3:先輩の本音の声

実際に働いている社員の声を掲載することで、信頼性が高まります。

【成功事例】五藤自動車(自動車整備会社)

  • 課題:自動車整備業界の3K(きつい・汚い・危険)イメージ
  • 施策:ブランディング刷新
    • 「汚いイメージを払拭」
    • 「やる気次第でどんな可能性もつかめる」
    • 「自由で働きやすい環境」をアピール
    • 写真・デザインを一新したホームページ
  • 結果:広告をかけても応募ゼロ→複数応募が継続的に入る状態へ

ダメな例:3つの典型的失敗

  1. ホームページが充実していない:募集要項しかない
  2. 自社の魅力・強み・ターゲット人材が不明確:ぼんやりした募集では誰も来ない
  3. 競合は全企業:給料で勝てないなら、別の魅力で勝負する

SNS運用で成果を出す5つのコツ

地方マーケティングでSNSを活用する際の実践的なポイントです。

コツ1:興味があり相性の良いSNSをやる

続けなければ、意味がありません。自分が楽しめるSNSを選びましょう。

コツ2:日常にサプライズを見せる

地方の人が当たり前だと思っていることが、外部の人には驚きのコンテンツです。

【事例】あるベンチを毎日同じ時間・同じ視点で撮影してInstagramに投稿 →日替わりで座る人が変わり(親子、カップル、おばあさん、誰もいない日...)、ドラマ性が生まれ大人気に。

コツ3:バズりは期待しない

バズっても継続的な成果につながらないケースが多数。何もしないのが最悪で、継続が大切です。

コツ4:半年でダメなら見直し、2年続けて効果が出なければ判断

短期で諦めず、一定期間は継続しましょう。

コツ5:ターゲットとやる人の掛け合わせで選ぶ

ターゲットおすすめSNS
女性・若年層Instagram
ビジネスマンFacebook
幅広い層YouTube(ただし気合い・予算・時間が必要)
好きな人がいるX(興味がないと続かない)

Facebookは「オワコン」と言われますが、小規模企業の社長層は今でも使っています。名刺交換後にFacebookで友達になるケースが多いです。

6マスマーケティングの実践ステップ

ステップ1:現状の6マスを書き出す

まず自社が現在行っているマーケティング施策を6マスに当てはめてください。

  1. 認知・出会い
  2. 見込客情報
  3. 信頼構築
  4. フロント商品
  5. メイン商品
  6. リピート紹介

書き出せない場合、何をやっているか把握できていません。まず、現状調査をしましょう。

ステップ2:穴がある箇所を確認

6マスを見て、特に以下をチェックしてください。

  • ②見込客情報獲得が空欄になっていないか?
  • ⑥リピート・紹介策があるか?

多くの企業は④⑤ばかり埋まっており、①②③⑥が空欄です。穴がある箇所から攻めると、短時間で効果が出やすくなります。

ステップ3:理想の6マスを設計

本記事の業種別事例を参考に、理想の6マスを描きましょう。

ステップ4:ギャップを埋める施策を実行

現状と理想のギャップを埋める施策を優先順位をつけて実行します。

1箇所だけ充実させても効果は薄いです。全体が繋がるように満遍なく埋めることが理想です。

ステップ5:定期的に見直す

3ヶ月〜半年ごとに効果を測定し、必要に応じて施策を変更しましょう。

地方マーケティングに関してよくある質問

Q1:6マスマーケティングとは何?

6マスマーケティングとは、①認知・出会い、②見込客情報獲得、③信頼構築、④フロント商品、⑤メイン商品、⑥リピート紹介という6つのステップを順番に設計し、自動的に顧客が増える仕組みを作るマーケティング手法です。

多くの企業は④⑤の販売だけに注力しますが、①②③の前工程を構築することで、広告費を抑えながら効率的に顧客を獲得できます。

Q2:地方マーケティングが都市部と違う点は何?

都心と地方マーケティングの最大の違いは、「顧客数の少なさ」と「人材不足」という2つの制約がある一方で、チラシ・新聞広告・口コミ・地域テレビCM(15万円〜)・ふるさと納税など、都市部では使えない強力な施策が効果的に機能する点です。

オンライン施策だけでなく、地方特有のオフライン施策も組み合わせた統合型マーケティング(IMC)が成功の鍵となります。

Q3:150種類以上あるマーケティング施策の中で、何から始めればいい?

マーケティング施策で最も重要なのは「自社に合ったカード選び」です。業種・人数・予算・ターゲット・商品単価によって、最適な施策は異なります。

たとえば、店舗ビジネスならGoogleマップ対策(MEO)が最優先、BtoB小規模企業向けならFacebookやFAX DMが意外な効果を発揮します。他社の成功事例をそのまま真似するのではなく、自社の条件に合った2〜3種類に絞って実践することが、成功への近道です。

Q4:なぜ見込客情報の獲得が重要?

見込客情報の獲得が重要なのは、顧客は必ず複数の選択肢を比較検討しており、その比較対象の1つに入ることが重要だからです。見込客情報を獲得してメールマガジンやLINE公式アカウントで継続的に接触することで、1年後、3年後、5年後に必要になったタイミングで選ばれやすくなります。

実際に5年間メルマガを読み続けて初めて契約したクライアント事例もあります。日本のマーケティングで最も軽視されがちですが、最も効果的な工程です。

Q5:地方の小規模企業でも実践できるマーケティング施策はある?

地方の小規模企業でも、実践できるマーケティング施策はあります。予算が限られていても効果的な施策は、以下のようなものです。

  • Googleマップの徹底活用(無料)
  • LINE公式アカウントでの見込客育成(基本無料)
  • クーポンサイト(売れた分だけ手数料)
  • ふるさと納税への商品登録
  • 地域テレビCM(15万円〜)

特に、Googleマップは店舗ビジネスで必須の施策で、SEO対策より簡単に上位表示できます。人材不足の場合は、2〜3種類に絞って継続することが成功のポイントです。

まとめ:地方マーケティング成功の3つの鍵

地方でマーケティングを成功させるには、以下3つが鍵となります。

(1)カード選びを間違えない

150種類以上ある施策の中から、自社の業種・人数・予算・ターゲット・商品単価に合った2〜3枚を選ぶことが最重要です。他社の成功事例をそのまま真似しても成功しません。

(2)6マス全体の流れを作る

いきなり売ろうとせず、「①認知→②見込客獲得→③信頼構築→④初回購入→⑤本命商品→⑥リピート紹介」という流れを設計しましょう。特に「②見込客情報獲得」を軽視しないことが重要です。

(3)地方特有の施策を活用する

  • チラシ・新聞広告(都市部より効果大)
  • 地域テレビCM(15万円〜出稿可能)
  • ふるさと納税(商品だけでなく宿泊代金も対象可)
  • 口コミ戦略(地方は拡散力が強い)
  • Googleマップ対策(必須)

地方には地方にしかない武器があります。オンライン施策だけでなく、オフライン施策も組み合わせた統合型マーケティング(IMC)が成功の秘訣です。

営業が頑張らなくても自動的に売れる仕組みを作ることがマーケティングの本質です。6マスマーケティングを実践し、地方ビジネスの可能性を最大限に引き出しましょう。

出典:マーケティング侍の非常識なビジネス学『地方社長全員に物申す!これが地方マーケティングの全てです!どうやって売上上げていいか分からないなら見ろ!(田舎・地方に特化した最強のマーケティングを全て詰め込んだ完全版マーケティング動画)』

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