ChatGPTの登場によって、AI時代が到来した今、さまざまな憶測が飛び交っています。
・AIによって、Google検索がなくなるのでは?
・ブログやオウンドメディアなどのSEOは終わり?
・AIにコンテンツ作成を任せると、検索順位が下がる?
SEO(Google)の今後に注目している方は、非常に多いです。
僕もマーケターとして、多様な業種の法人様のマーケティング支援をしていますが、ここ1年くらいでAIに関して質問されることが多くなりました。
そこで、今回は最も質問されることが多い『AI時代が到来したことによって、SEOは終わりなのか?』に対する僕の回答を共有いたします。
今後何が起きるのか、そして今からどのように対応すればいいのかを解説していきます。
正直言ってしまうと、今回お伝えする内容を意識しないと、長期的にSEOでは生き残れないんじゃないのかと思っています。
企業の経営者やマーケター、フリーランスの方は、特におすすめです。
デマ情報に騙されるな!
まず最初に注意喚起をしておきます。
巷ではよく聞く、以下のような言葉は鵜呑みにしないでください。
「記事を作成するのに、AIは使えない」
「AIに書かせた記事では、検索上位に表示されない」
「AI記事を量産しても、評価されないからPVも増えない」
このようなことを言っている人がいたら、ただのポジショントークだと思ってもらって大丈夫です。
SEO業者が自社のサービスを契約してもらうため、もしくはライティングの教材を売るために優位なことを話しているだけです。
上記のような意見は非常に浅い考えであり、実際はもっと細分化して考える必要があります。
「AIがダメ」というわけではなく、本来の意味としては「AIには、得意なことと不得意なことがある」ということです。
つまり、僕たちマーケター(経営者)は『AIができる(=AIに任せるべき)タスクを見極めること』が、今後事業を成長させていく上で重要になります。
AIに任せるべき得意分野
では、AIの得意な分野とは何か?
AIの得意分野は、『答えが明確に決まっていること』です。
わかりやすい例で言うと、計算のような答えがある分野は得意で、人間よりもAIの方が圧倒的に優れています。
逆に、AIが苦手な分野は『明確な答えがない創造的なこと』です。
国語のような答えが複数存在する(明確な答えがない)分野では、求めている回答をしてくれない可能性が高くなります。
つまり、SEOにおいても同じで、明確な答えがあるタスクをAIに任せると良いです。
具体的には、『文章を読みやすくする』ためにAIを使うことがおすすめです。
特に、以下の2つ。
・記事構成ラフ案の作成
・完成した記事の校正・添削
ChatGPTのような大規模言語モデル(LLM)は、『思考』ではなく『統計』に基づいて、回答を作成しています。
つまり、『思考力』より『言語力』に優れているAI。
※大規模言語モデル(LLM)・・・特定の言葉の後に、確率的に続きそうな言葉を並べるモデル。より自然な文章の並びに高い確率を割り当て、文章として成立しない並びには低い確率を割り当てる。
少し難しい言葉が出てきましたが、大規模言語モデル(LLM)はAIが発展し続ける今後も重要なので、ざっくりと理解しておくと良いですよ。
そのため、『思考を必要としないタスク』をAIに任せるのです。
だからこそ、ある程度の解がある文章の校正やラフ案の作成であれば、AIに任せてしまった方が効率的かつ正確に作業を進められます。
逆に、以下のような思考を必要とするタスクは、AIは得意ではないため、現状の回答クオリティとしては非常に低いです。(今後はどうなるかわかりませんが)
・記事をゼロから完成させる
・記事の見出しを作成する
AIに人間が勝つための方法
AIに”できること”と”できないこと”があることはわかりました。
では、「今後AIがすべての仕事を奪っていくのではないか?」
そんな心配もありますよね。
ここでは、今後も急激に成長するであろうAIに、SEO(コンテンツ作成)で勝つための方法をお伝えします。
その答えは、非常にシンプルです。
『AIが書けない記事を書くこと』
これに関しては、Googleも公式で発表しており、正解がすでに出ています。
Google公式の品質評価ガイドラインに記載されている、最も重要な内容がこちら。
「Webコンテンツの品質評価はE-E-A-Tを重要視している」
つまり、E-E-A-Tを満たしたコンテンツが評価されて、検索結果の上位に掲載されます。
E-E-A-T(ダブルイーエーティー)とは、Googleが独自に定めたコンテンツの評価基準で、下記4つの評価項目の頭文字をとった言葉です。
・経験(Experience)
・専門性(Expertise)
・権威性(Authoritativeness)
・信頼性(Trust)
詳しくは説明しませんが、以下のようなことをすることで、E-E-A-Tの評価を高めることができます。
・経験 →経験談をコンテンツに入れる
・専門性 →知見のあるジャンルのコンテンツを作成する
・権威性 →他に引用されるコンテンツ内容にする
・信頼性 →自己紹介を充実させる
結論、僕たちマーケター(ライター)がSEOでAIに勝つためには、上記のような4つの要素を意識してコンテンツを作り、E-E-A-Tを高めていくことが必要です。
「本当にこれからも『E-E-A-T』が重視されるのか」心配された方もいるかもしれませんが、信頼できる証拠を1つお伝えしておきます。
最近(2023年5月)、Google公式からGoogle検索に新しい機能が追加される予定であるとの発表がありました。
その新機能が『Perspectives』。
検索窓の下に出てくるフィルタ機能の1つとして追加され、Q&AサイトやSNSで共有された文章・画像・動画の投稿を表示します。
つまり、人々の経験に基づいた情報や意見を知りたい人にとっては、非常に役立つ機能です。
この機能こそが、AIに対抗するためのGoogleの戦略の1つです。
現状の検索結果では、どの記事を見ても同じような内容で、かつ筆者が本当に実践してるのかわからない記事も結構あります。
『Perspectives』はそれに対する対抗手段として実装される機能であり、記事だけではなく、以下のように従来のSEO対策では評価されていなかったコンテンツも評価されます。
・動画(ショート動画)
・画像
・Q&Aサイトの投稿
・SNSの投稿
つまり、オリジナリティを重視し、実体験に基づいたページや特定テーマに深い知識を持つ人によって作成されたページが、より評価されるようになります。
よって、これからも引き続き『E-E-A-T』の評価は右肩上がりになるでしょう。
結局、SEOはオワコンなの?
最後に、これからのSEOについてどうなのか、僕の意見をお伝えして終わりたいと思います。
結論、
『SEOは絶対になくならない』
というのが僕の意見です。
AIの回答はどのように作られるのかをよく考えてみて欲しいのですが、AIはネット上にある情報を分析し、回答を作成します。
AIはゼロから考えているわけではありません。
つまり、経験に基づいたコンテンツを元にして、AIは回答を作成するので、そもそも元にする情報がないと、AIは回答できません。
『その引用元のコンテンツがなくなる』ということは、『AIの回答もできなくなる』ということなので、SEOコンテンツが終了するのは絶対に考えられません。
正確な結論としては、『SEOが終了する』のではなく、『誰でも作れるコンテンツの評価が下がる』ですね。
まとめると、SEOは絶対になくならないので、引き続き『E-E-A-T』を意識しながらコンテンツを作成していきましょうということです。