こんにちは
しいなまです。
- 牛フィレ
- フォアグラ
- トリュフ
この高級食材3つが組み合わさった料理が
2千円で食べれるって、どゆこと?

僕が初めて『俺のフレンチ』で
ロッシーニを食べた時はこう思ってました。
だって、普通1万は超えますからね。
その店がどういうビジネスモデルを
組んでいるのか。
僕は気になったので調べてみたんですが、
まーおもしろい。
めちゃくちゃ考えられて
作られていたわけです。
今回紹介する戦略をみて、
「当たり前じゃん」
と思うかもしれませんが、
この発想をすること自体、
当時は考える人がいませんでした。
『俺のフレンチ』創業者の坂本さんは
あるところに注目し、
誰も手を出そうとしなかった
新たな世界に踏み出したのです。
では、坂本さんはどんなことをしたのか。
その作戦の名が
『ブルーオーシャン戦略』
詳しくみていきましょう。
パクられる飲食業界
飲食業はパクりパクられが
かなり多い業界です。
ラーメン店もそうですし、
牛丼店なんかも、
どの店も同じようなメニューばかりで、
はっきりした違いはあまりないですよね。
独自にどれだけ魅力的なメニューを
開発しても、
特許で守られるわけではないので、
売れて話題になれば、
すぐに真似されてしまいます。
そうなると、自分の店限定メニューを
他の店でも提供できるようになるので、
今まで自分の店に来てくれていた
お客さんは他の店にも流れていきます。
自分の店に来る理由が
なくなってしまうのです。
他と違いのない店は
どんどんなくなっていきます。
売り上げを上げ続け、
自分の店を長く経営していくためには、
他の店でも真似できるようなのじゃ
ダメなのです。
他の店が簡単に真似できない
ビジネスモデルを作る必要があります。
これがなかなか難しいんですよね。
僕もこれまでたくさんの企業や個人を
コンサルしてきて、
他では真似しづらい戦略を
考えてきたんですが、
かなり時間と労力がかかります。
競合をリサーチしまくって、
うまくいっている企業はどんなことを
しているのか、
まだライバルがいない市場はどこか
など、徹底的に分析するわけです。
そこから、自社が行うべき
マーケティング戦略を決めていきます。
では、創業者の坂本さんが何をやったのか。
これまでの飲食チェーンでは前例のない、
未だかつて実現できなかった
『低価格×高級料理』
という新たな市場を作り出したのです。
高級料理を低価格で
高級食材を使って
一流シェフが作った料理を
圧倒的な低価格で提供することで
大成功しました。
当時は誰もそんなことできるなんて
思ってもいなかったので、
やろうとしなかった、
もしくは考えもしなかったのです。
高級料理を低価格で出す店。
顧客の需要はあるのに、
ライバルがいない市場。
これが、ブルーオーシャンです。
『俺の』は、ブルーオーシャンの
ポジションを狙ったのです。
競合が提供しているけど
顧客はそんなに求めていないものを
取り除き、
顧客が本当に求めている価値を
提供することに注力。
つまり、
今ある市場に何らかの要素を足す、
もしくは引くことによって
新しい市場が開拓されました。
おしゃれなアンティークの照明や
豪華なソファ、高級なお皿などは
あればいいですが、
顧客からしてみると、
なくても良いものです。
顧客が飲食店に来る一番の目的は、
おいしいものを食べたい
ということです。
料理以外の要素を省くことで
固定費を削減し、
圧倒的な低価格を実現しました。
回転率を上げる
さらに、座ってゆっくり食事するという
要素も取り除き、立食スタイルに。
立ち食いによって、効率的に多くの人に
料理を提供することによって、
回転率を上げることにつながります。
料理にはこだわりますので、
食材だけでなく
シェフもこだわり抜きました。
海外のミシュラン店や
日本の有名な一流店で働いていたシェフを
集めたのです。
そんな一流シェフを引き抜くために、
坂本さんはこんな感じで口説いたそう。
「高級レストランに来る客は
せいぜい人口の0.3%。
一方、低価格の店なら人口の8割を
対象にできる。
料理のプロなら
どっちにやりがいを感じるか」
『日本一の飲食チェーンを目指す』
という坂本さんの夢に、
実績のある一流シェフがのってくれ、
『俺の』がスタートしました。
『低価格×高級料理』には、
『安い』『高級』という正反対の要素が
組み合わさっていて、
一見すると矛盾しているように思える
コンセプトですが、
この意外性が人々の興味を引きつけ、
話題を呼んだのです。
普通に考えていたら、
こんなコンセプト思いつきません。
「高いのに安いって、どういうこと?」
ってなりますよね。
当たり前のことを当たり前だと思って、
軽く流してはいけません。
常識を疑うことも大切です。
一度ムリだと思い込んでしまうと、
新たな発想はできませんし、
そこから成長することはありません。
坂本さんは常識を疑って、
新たな市場を開拓。
話題になりそうなフックを作り、
初動から爆発的に成長していくことが
できました。
市場はすぐに飽和する
ですが、飲食業は栄え衰えが
かなり激しい業態です。
新たなライバルの出現や
世の中のちょっとした変化で、
黒字状態から一瞬で潰れる危機に
陥ることなんてこともあります。
コロナなんかもそうですね。
営業時間の短縮や外出自粛などによって、
多くの飲食店が経営を続けていくのが
難しくなり、
閉店せざるを得ない状況になりました。
人気店であったとしても、
大丈夫だと油断してはいけません。
顧客に飽きられる前に、
先に手を打っておく必要があります。
例えば、回転寿司。
高級飲食店といえば寿司屋だった70年代、
回転寿司は安い大衆的な寿司屋として
登場します。
ベルトコンベアで寿司を回し、
セルフサービスで提供することによって、
高級イメージの強かった寿司を
低コスト化する
というイノベーションが起きました。
ブルーオーシャンに思われましたが、
80年代から量産化しやすい
握りマシンの開発によって
チェーン店が膨大に増えていき、
あっという間にレッドオーシャンに
なってしまいました。
このような状態にならないためには、
これからの時代にあった対策を
考えていかないといけません。
環境・市場に適応し続ける
『俺の』では、当初のビジネスモデルを
臨機応変に変えています。
現在は、後発の立食の飲食店が
増えてしまったため、
コンセプトを「完全着席」に変更。
着席型でも回転率を維持して、
ファミリー層や中高年層へと
客層の拡大を図っています。
他の業界にも言えることですが、
生存競争では環境に適していくことが
長くビジネスを続けるためには重要です。
特に、ネットビジネスは
移り変わりの激しい業界です。
油断していると、
すぐに置いていかれてしまいます。
誰がTiktokが流行るなんて
予想できたでしょうか。
誰が2ちゃんがなくなるなんて
予想できたでしょうか。
常に世の中の流れに注意して、
適切な選択をしていきましょう。
生き残るためには
変化が絶対に必要です。
自分の常識も
信じてはいけません。
「ブルーオーシャンはもうない」
と決めつけるのではなく、
自分のビジネスがレッドオーシャンで
あったとしても、
その中のブルーオーシャン開拓に
挑戦するのです。
そうすれば、顧客の中に眠っている
新たな潜在需要を掘り起こせる可能性が
出てきます。
自分を疑い、進化していきましょう。
ありがとうございました。
しいなま