こんにちは
しいなまです。
牛ヒレとフォアグラのロッシーニって、
食べたことあります?

めちゃくちゃおいしい料理なんですけど、
これ2,000円くらいで食べれます。
高いって思った方もいるかも
知れませんが、
めちゃくちゃ安いんですよ、これ。
普通こんな値段で出せません。
普通の高級店であれば、
1万は軽く超えます。
その高級料理を激安で提供している店が、
「俺のフレンチ」
というところ。
「俺の株式会社」が運営しているお店です。
一度は聞いたこと
あるんじゃないでしょうか。
フレンチ以外にも、
「俺のイタリアン」
「俺の焼肉」
「俺のやきとり」
など、多くの事業を展開しています。
で、なんで俺のフレンチでは
高級料理をそんな破格の値段で
提供できているのか。
疑問に思いますよね。
この考えが大事ですよ。
マーケターは常に「なぜ?」と思って、
考えることが大切です。
興味ないものでもスルーするのではなく、
「なぜ成功しているのか」を考え、
考察して、調査していくのです。
結構前ですが、僕は
「なぜこんな安いのか」
疑問に思ったので、調べたわけです。
すると、俺のシリーズの
おもしろい戦略が見えてきたんですよ。
他のビジネスでも応用できる
考えですので、
知っておいて損はないです。
脅威の減価率
まず、冒頭で紹介した
ロッシーニの原価率。
なんと90%超え。
原価率とは、
売上に対する原価の割合のことで、
例えばカレー1杯の原価が300円で、
販売価格が1,000円の場合、
原価率は30%になります。
原価率90%ということは、
販売価格2,000円とすると、
原価が1,800円かかる。
つまり、ロッシーニ1品注文された時の
利益は、たった200円ということです。
これ異常なんですよ。
他のメニューも平均して60%以上。
飲食店では、
「原価率30%以内にすべし」
という常識があるのですが、
それを簡単に破壊。
例えば、飲食店で原価率の低いメニューは、
枝豆や餃子、ポテトなど。
これらのメニューは、
全て20%前後の原価率しかありません。
ちなみに飲食店じゃないですけど、
わたあめは原価率が数%で
ほぼ利益になりますし、
かき氷も10%くらいしか
かからないです。
あと、お店によっては料理の前に
無料のお通しが出てきます。
普通であれば有料のお通しを
無料で出してくれるお店があります。
タダなんで、
さすがに赤字だと思いますよね。
でも、実は赤字にならないように
ある狙いがあって出してるんです。
そこにも、マーケティング戦略が
潜んでいます。
では、ある居酒屋に行った時を
想像して欲しいのですが、
まず最初に
無料の料理が出されたら
どう思うでしょうか?
「タダで食べれてラッキー!」
「無料で提供してくれるなんて、
お客さん想いの店だな」
など、人それぞれだと思いますが、
だいたい印象に残りますよね。
また違う日に、
どこの居酒屋行こうか迷った時、
「そういえば、前にサービス良かった店
あったよね。そこにしようか」
みたいな流れもあり得ます。
つまり、
無料でおつまみを出すだけで
「タダで食べれてサービスの良い店」
という店のイメージは良くなるし、
また来たくなります。
あと、なんか
無料サービスしてくれる店って、
なんとなく良いイメージが
ありませんか?
僕はど田舎出身で、
無料でお通しを出す店が
地元に全然なかったので、
東京の居酒屋行った時は
「無料で料理出してくれるとこもあるんだ」
とか思って、感動した覚えがあります。
(僕の地元だけかもしれませんが)
さらにですよ。
これはあまりやっている居酒屋が
ないんですが、
マーケティングをわかっている店は、
お通しに喉が乾くような、
飲み物が欲しくなるような食べ物を
出してきます。
例えば、塩辛などのしょっぱい系の
食べ物とかそうですね。
そうすると、飲み物が進むんで、
お通しがない時より飲み物の注文が
増えます。
この飲み物で利益を回収するわけです。
居酒屋は、飲み物が稼ぎ柱です。
原価率でいうと、
サワー系やカクテル、ハイボールなどは
10〜20%くらいしかからないので、
飲食店側からしたら、うれしいですね。
ただ、実はビールが原価率高くて、
50%以上あるんですよね。
なので、ビールはあまり
効率よくないんですよ。
赤字にはならないですが、
ビールよりはサワー系をいってほしい
わけです。
僕はお通しで喉からっからになるような
食べ物が出されたら、
「あ、これ完全に狙ってやってるな」
って思ったりしてます。
おそらくマーケティングを
わかっている経営者、
もしくはマーケターがコンサルしてる
ところですね。
まとめると、
無料でお通しを出して赤字になっても、
飲み物代で大きな利益を回収し、
さらに店のブランディングする
(イメージを良くする)ことで
リピートしてくれるため、
利益は継続的に増えていく
ということです。
うまく考えられてますよね。
周りの人でも知っている人
ほとんどいないと思うので、
ぜひ居酒屋行ってお通しが出てきた時は
話してみてください。
「お前、よくそんなこと知ってるなー」
って頭良く思われたり、
もしかすると
「〇〇さんって、
すごい物知りなんですねー!
かっこいい!」
女性に興味を持たれるかも
しれませんよ。笑
話がそれ過ぎましたね。笑
ロッシーニの話に戻りましょう。
原価率×回転率
なぜ、原価率の高い料理ばかり出しても
儲け続けているのか?
ということでしたね。
この答えはですね、
ズバリ
「回転率」です。
回転率とは簡単に説明すると、
お客さんの入れ替えペースのことで、
「俺の」グループはこの回転率を
高くしたんですよ。
つまり、
「原価率が高くても、同じ時間内に
数を多く売ればいいんじゃない?」
って考えたわけです。
じゃあ、お客さんの入れ替えを
早くするためにはどうすればいいか。
「立ち食いにすればいいんじゃない?」
そこで立ち食いが誕生したわけですね。
なぜ「立ち食い」にしているか
というのは、
回転率を高めるためだったんです。
さすがに、立ったまま何時間も
いることなんてしないですよね。笑
まー、この戦略が大成功で、
原価率が高いのに回転率を高くして、
結果的に儲かりました。
ただ、ここも紙一重で、
お客さんを急かして満足度を
下げてしまうようであれば、
本末転倒です。
早食いではないんですから、
味わって食べたいですよね。
しかも高級料理ですから。
こちらからお客さんに帰るように
急かしたり、時間制限を設けてしまうと、
せっかくの高級料理を食べた余韻が
台無しです。
絶対に「また来よう」とは思いません。
理想は、お客さんが自分の意思で
好きな時間に帰ってもらうこと。
だけど、回転率を高めたいから、
できるだけ早く帰ってほしい。
どうすればいいのか考え抜いた結果、
「立ったまま食べる」
というのが、
見事にはまったわけです。
ここから「俺の」グループは、
どの事業も大成功を収めてきました。
飲食店の売上は、
回転数と原価率で決まります。
このバランスが崩れると、
売上が伸びず一気に赤字に転落する
と言われていました。
高級料理店では、
回転数が低く客単価が高いという
方程式が一般的のところ、
俺のシリーズは
回転数が高く客単価が低いという
逆転の発想で成功を収めたのでした。
ちゃんちゃん。
まとめ
と、ここまでが「俺の」グループの
成功の秘密1でした。
実は、まだまだ成功の秘密が
あるんですが、
今回は1つだけの紹介にしておきます。
他の成功要因に関しては、
また違う記事で紹介しますね。
すみません。
ただ、他の戦略もかなりおもしろいので、
期待してください。
勉強にもなりますし、
自分のビジネスにも応用はできますので。
では、これで。
あ、
あと、
ちなみになんですが、
「俺の」創業者の坂本孝社長は、
「ブックオフ」の創業者でもあります。
知ってましたかね。
ブックオフのビジネスモデルも
かなりおもしろいので、
またあとで紹介します。
ありがとうございました。
しいなま