ある3連休初日。
僕が少し離れたカフェで勉強しようと思い、
電車に乗ったときのこと。
電車に乗ってすぐ、僕の目にあるものが
飛び込んできたんです。
それは、
たくさんのおじさんの顔。
電車内を見渡すと、
おじさんの顔の広告ばかり。
このおじさんというのは、
「錦鯉」というコンビを組んでいる芸人の
長谷川さん。
2021年のM1グランプリで
最年長チャンピオンとなったことで
人気になった方です。
特徴としては、頭がハゲていて、
おちゃらけた変顔をする
50オーバーのおじさん。
で、その長谷川さんの顔写真が
中央にデカデカとバンっと載せられた広告が
電車内にたくさん貼られていたんです。
よく見てみると、電車内の広告全てに
長谷川さんの顔が載っていました。
全部ですよ!
どこ見てもおじさんの顔があるんですよ!
電車内をジャックしていたんです!
その広告というのは、
ラインポコポコというアプリの広告。
あの有名なラインが出しているゲームと
いうこともあり、
かなり前から人気のアプリです。
やったことある人も
多いんじゃないでしょうか?
僕も高校生の時に少しやってました。
すぐ飽きてやめてしまいましたけど。笑
懐かしい。
で、今回この記事で
何が言いたいかというと、
「この広告を見て、どう思いますか?」
ということです。
僕はマーケターとして、普段から
自社の商品を売るための戦略を考えたり、
いろいろな会社の売上を上げるための
コンサルもしています。
日常的に
「どうすれば商品は売れるのか?」
「どこを改善すれば、
集客アップにつながるのか?」
などを考えているということです。
マーケターじゃないと、
こんなこと考えないですよね。
つまり、同じものを見たとしても、
見た人によって考えることは
違ってくるんです。
当たり前ですけど。
ちょっと具体的に話していきましょう。
見ている世界が違う
『今の僕』と『マーケターではない人』
じゃあマーケターになる前の昔の僕を
比較していきます。
2人が冒頭で話したラインポコポコの
電車広告を見たとしたら、
昔の僕
「あっ、あれ芸人の長谷川さんじゃん!
めっちゃ広告あるじゃん!おもしろ!
写真撮って、友達に教えてあげよ!」
カシャっと写真を撮り、
その写真をラインで送信っと。
これで終わりです。
まー普通このくらいしか思わないですよね。
じゃあ、今の僕が何を思ったのかを
書いていきます。
今の僕
「めっちゃインパクトある広告あるじゃん。
何の広告だろ。
ラインポコポコか。
ラインが出してるのね。
てか電車内の広告全部そうじゃん。
おじさんの変顔を中央にデカデカと
大きく配置することで、
意図的に見ようとしなくても
つい気になっちゃうよなあ。
あと、背景もラインのイメージカラーの緑を
使っているから、目立ってるからなあ。
その目立った広告が電車の中全部に
あるんだから、見ない人はいない。
つまり、電車に乗った人全員に
広告を見せることができるということだ。
・・・(省略)・・・
広告のキャッチコピー(文章)も
中央にシンプルに配置。
この文章に、見ている人の悩みを書いて、
共感を誘っているな。
・・・(省略)・・・
ターゲットの年齢層を高めに
設定されてるわ。
このアプリって、若者向けのゲームだけど、
違うターゲットにもアプローチしようと
しているってことね。
ゲーム要素ではなく、
頭のトレーニングとしてアプリを
見せているわけだ。
同じアプリでも違った見せ方をして、
新しいアプリの登録者を増やそうと
しているってことか。
・・・(省略)・・・
勉強になるなあ。」
かなり省略しましたけど、
こんな感じですね。
考えていることが全く違うことが
わかったと思います。
じゃあ、この両者のなにが違ったのか、
1番の違いってわかりますか?
それは、『視点の違い』です。
視点の違いで世界は変わる
昔の僕は、
ただ「広告を見ている側の視点」しか
持っていなかったわけです。
しかし、今の僕が何をやったかというと、
「広告を作った側の視点」に
切り替えたわけです。
広告というのは、
企業が莫大な資金と、
膨大な人の手間と時間をかけています。
つまり、中途半端なものを
出しているわけではないんです。
失敗したら赤字になるわけですからね。
多くのマーケターが考えに考え抜いて、
広告を出しているんです。
ということは、その広告の裏には、
マーケターたちがめっちゃ時間をかけて
考えた緻密な戦略があるわけなんですよ。
広告をより多くの人に見てもらうためには、
どこに広告を出せばいいのか。
アプリの登録者数を増やすために、
どんな文章にすればいいのか。
など、
ある目的を達成するための手段として、
広告を出しているわけです。
ってことはですよ。
その企業の優秀なマーケターたちが
考えた戦略を知ることができたら、
どれほどの価値があるのでしょうか。
その戦略を自分のビジネス、
もしくは自分の仕事に活かすことができたら、
どれほどの売上アップに
つながるでしょうか。
「作っている側の視点」で考えるだけで、
何億もかけて作り上げた価値あるものを
タダで学べるわけです。
こんないいことありますか。
そこらじゅうに数億円もの価値ある情報が
タダで置いてあるんです。
これは無視するわけありませんよね。
電車の広告だけじゃありませんよ。
そこら中、世の中にあるもの全てから
学ぶことができます。
看板やチラシ、商品のパッケージ、
飲食店のメニュー表だって
学べることはあります。
(ただ、悪いものも中にはありますので、
良いか悪いかの判断は知識が必要です)
ずっと消費者側の視点にいては、
何も気づくことはできません。
周りにたくさんのお宝があるのに、
それが見えていないわけですから。
道端に100万円の札束が
ボトボト落ちていて、
それを自由に持って帰っていいと
言っていたらどうしますか?
コンビニでもブランドショップでも
何でもいいですが、
その店内の商品は全て自由に持って帰って
いいと言われたらどうでしょう。
持って帰りますよね。
タダなんですから。
そんなチャンスが日常にあるのに、
それを見逃しているのはもったいないです。
そのチャンスを逃さないためには
「制作者側の視点」
で考えてみることです。
「この広告はどういった目的で
作られているんだろう」
「この商品はどんなターゲットを
狙っているんだろう」
「このチラシは見た人にどんな行動を
させようとしているのか」
などを考えてみることで、
制作者の意図が見えてくるはずです。
意図がわかれば、
自分の知識になりますし、
それを仕事にも応用できるかもしれません。
友達に話せば、すごいと思われますよ。
マーケター視点で世の中を見ている人は
まだ少ないですからね。
僕も周りに話したりすると、
すごがられることはよくあります。
人気になりたい人も、
マーケター視点を持っておくといいですね!
マーケター思考ができると、
普段見ていた街の景色、商品、
サービスなどが全く違って見えます。
これは、マーケター思考を身につけた人で
ないと体験することはできませんが、
めちゃくちゃおもしろいですよ。
普通の散歩が自分の勉強になる上、
めちゃくちゃ楽しいものになります。
なので、痩せたい人にも
効果がありますね。笑
そんなとこで、今回の記事で
視点がどれだけ大切か
わかっていただけたかなと思います。
今の仕事がマーケティングに
関わっていなくても、
マーケターのような視点を身につけて、
日常をより楽しくしていきましょう!
では、ありがとうございました。
しいなま
追伸
今回の記事では、
ポコポコの広告から何がわかったのか
かなり省略してしまいましたが、
下記の記事では詳しく書いてますので、
気になった方はぜひ見てください。
ラインがどんな戦略を使って、
僕たち消費者にアプリを
登録させようとしているのか、
その緻密で計算された戦略を
僕の視点で書いています。
自分の仕事に活かせば、
売上を上げることにもなって
勉強になりますし、
単純におもしろいと思いますよ。
知っておいて損なしです。
これは、昔の僕だったら
絶対に気づけないだろうなあ。